第48章

九条遥は浦崎正からの電話を受け、急いで御景園に駆けつけた。

彼女は既に御景園の暗証番号を知っていたが、礼儀として先にインターホンを押した。

ドアが開くと、九条遥は二ノ宮峰の姿を目にした瞬間、二人とも明らかに一瞬固まった。

先に我に返ったのは二ノ宮峰だった。「お嬢様……どうしてここに?涼介が来るよう言ったのですか?」

二ノ宮峰の目の奥には、喜びが滲んでいた。

彼は、涼介がようやく気持ちを整理し、九条遥を許したのだと思ったのだ。

二ノ宮峰は急いで彼女を招き入れた。「お嬢様、立ってないで、早く中へどうぞ。外は暑いですから」

峰おじさんは昔と変わらず、彼女に対して親切だった。

九条遥...

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